プラズマ処理 導入前の基礎知識【1/2】注目される理由と“真空・大気圧”の違い | 事例 | 大気圧プラズマ事業サービスサイト:サンライン
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Case studies

事例紹介

プラズマ処理 導入前の基礎知識【1/2】

注目される理由と“真空・大気圧”の違い

 

接着剤の密着性が悪い―
親水性が悪くコーティング剤が濡れ広がらない―

 

そういった素材の表面特性に関するお困りごとの解決にプラズマ処理が注目されています。
とくに、離型性・化学的安定性・耐熱性や、低アレルギー性・生体適合性の特長が必要な医療機器
強酸に長期間さらされても劣化しない耐酸性や軽量性が求められる自動車バッテリーの容器
シリコーンゴムやPPといった難接着性樹脂、製品の多機能化による異種材料を使った構造の採用が加速しています。
そこで、親水化や接着性改善といったご課題解決に、ガスと電気だけで表面改質ができるのがプラズマで、薬剤レス・乾燥レス、作業者の負担も軽減。

 

こういった環境と生産性を両立する表面処理技術としてPlastas+に今ご相談いただくケースが多くございます。
もし、現場で「もっと確実にくっつけたい」「表面改質で高付加価値の新製品を開発したい」という声があれば、この記事はきっとお役に立てます。

 

▼ 接着強度はどこまで変わる?
実際の比較データ付き事例は図をクリックでご確認いただけます。

例えば、ポリエチレン樹脂の接着強度比較した事例もございます!

 


 

 

■プラズマ処理とは?導入前に知っておくべき基礎

 

プラズマはイオン・電子・中性粒子が混在し非常に活性化した元気な状態です。
電子とイオンが高速で飛び交うこの状態は、素材の表面をナノレベルで活性化させる力を持っています。
その結果、濡れ性や接着性の改善などの効果を得ることができます。
プラズマ処理は、まず真空プラズマ処理大気圧プラズマ処理に分けられます。

 

*真空プラズマ

真空プラズマは、密閉されたチャンバー内で処理を行う方式で:

・処理の均一性が高く、再現性に優れています。

・複雑な形状の部品でも全体を均一に処理できます。

・半導体や医療分野で多用されており、厳密な工程管理が求められる現場に向いています。

一方で:

・真空ポンプやチャンバーが必要なため、初期導入コストや設置スペースが大きい問題があります。

・チャンバーに入るサイズのロット処理が基本で、連続ラインの工程には不向きです。

 

 

*大気圧プラズマ

チャンバーを使わず、常圧下で処理を行う方式で:
・真空装置が不要なため、設置が簡易で省スペースです。
既存の生産ライン(ロールtoロールや搬送ライン)への組み込んだ連続処理ができます。
・乾燥不要・薬剤レスの処理が可能で、作業環境にも優しいことから選ばれることが多いです。
大気圧プラズマはさらに、色々な種類があります。どのプラズマを選ぶべきかは、処理面の形状やプラズマ処理に期待していることで異なります。

 

 

当社では、真空プラズマから大気圧プラズマまで、さまざまな処理方式に対応しています。
特に大気圧プラズマに知見が多く、ジェット型・ダイレクト型など多様なプラズマ源を取り扱っており、処理面の形状やプラズマ処理にご期待いただいていることによって最適なご提案が可能です。
液体や気体、粉体、細長い形状の部材、さらには義手のような複雑な三次元形状まで、実績が豊富にあります。
また、単なる装置提供にとどまらず、処理機構そのもののカスタマイズを含む「プラズマのオーダーメード」も対応可能です。
お客様の課題に対して、プロセス設計から実験・技術開発・装置化に至るまで、一貫したご支援を提供しております。
「うちでも使えるのか?」「こんな素材でも効果があるか?」など、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

 

 


 

 

■導入前に知っておかないと困ること ― 効果が出ない? すぐ戻る? プラズマ装置以外に必要な設備

本記事は、プラズマ処理装置の導入を検討する方向けに、基本的な処理原理と方式の違いをご紹介する「前編」でした。
次の記事では、
・装置導入時に見落とされがちな設備
・よくある誤解(プラズマ処理面の評価注意点や経時変化など)
といった“導入前に知っておかないと困ること”を解説しています。
ぜひ、あわせてご覧ください。
▶ 続きの記事はこちら: [準備中。2025年8月公開予定]