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高濃度PFASを大気圧プラズマで超高速分解
2025.12.23
高濃度PFASを大気圧プラズマで超高速分解 ― PFAS分解コンサルティング事業を開始
釣糸等繊維の製造・販売を行う株式会社サンライン(所在地:山口県岩国市玖珂町1600-21、代表取締役社長 梶尾 延行)の大気圧プラズマ技術を中心とした研究開発・実験および装置開発を手がけるプラスタス事業部は、液体中に溶解した有機フッ素化合物(PFAS)を対象に、大気圧プラズマを用いて超高速分解する技術を開発し、事業化しました。

1. 開発背景
有機フッ素化合物(PFAS)は、溶剤、界面活性剤、繊維・革・紙・プラスチック等の表面処理剤、イオン交換膜、潤滑剤、泡消火薬剤、半導体原料、フッ素ポリマー加工助剤等、幅広い用途で広く工業利用されてきましたが、PFASの一部は環境中での残留性(分解されにくく土壌や水域に残留)や健康影響が懸念されています。しかし、PFASは強く安定した炭素-フッ素結合を持つため、加水分解、光分解、微生物分解及び代謝に対して耐性があり、分解が困難な物質です。例えば、PFAS含有廃棄物は約1,100℃以上の高温での焼却処理が推奨されています。(出典:環境省 水・大気環境局環境管理課有機フッ素化合物対策室「PFASハンドブック」令和7年3月)。
そのため、PFASの分解に関する研究および実証実験は、企業や研究機関により進められているものの、大規模焼却設備を前提とする技術は研究・実証用途への適用が困難であり、また、吸着や膜分離技術では処理後に高濃度のPFAS廃棄物が残留するなどの課題が指摘されています。
2. 開発した技術の概要
本技術は、空気を用いて生成した大気圧プラズマ(※1)をPFASが溶解している水溶液に照射することで分解を行うものであり、PFASの一種であるPFOA(ペルフルオロオクタン酸)を含む溶液に30分間処理を施した結果、99%分解することに成功しました(PFOA濃度:処理前 50,000μg/L → 処理後 39μg/L 中外テクノス株式会社調べ)。
プラズマを安定に生成するためには、従来、真空設備もしくはアルゴンなどの希ガスが必須でしたが、本技術では大気圧下で、さらには動作ガスとして空気を利用して処理を行えるため、ランニングコストを大幅に低減できます。処理方法を最適化して、プラズマ照射にかかる装置の消費電力を約135Whに抑制することで、家庭用コンセントの100Vやポータブル電源でも動作可能にしました。移動・設置が容易のため、既存の研究施設への設置や、処理するPFAS水溶液を輸送することなく現地での分解を実現することが期待できます。
本技術は特許出願中であり、今後、分解装置の製造・販売も予定しています。
※1 大気圧プラズマ…地上1気圧の下で電気等のエネルギーによって電離させた、電子やイオンの集合体。極めて化学的活性力が高く他の物質と反応しやすいため、有害物質の分解等、幅広い分野での活用が期待されています。

3. 事業展開
同社は本技術を活用し、PFAS分解に関する技術コンサルティング事業(PFASのプラズマ分解に関する課題分析、技術の適用方法の立案、分解装置の特注製作及び導入支援等)を開始します。
本技術は、PFAS対策の研究開発を前進させる実証基盤技術として、企業や研究機関の研究者・開発部門による活用を見込んでいます。
4. その他
本技術は山口県の補助金「令和6年度やまぐち産業イノベーション加速化補助金[カタパルト]」を活用して開発・事業化しました。
5. 会社概要
商号 : 株式会社サンライン
代表者 : 代表取締役 社長 梶尾 延行
所在地 : 〒742-0315 山口県岩国市玖珂町1600-21
設立 : 1977年8月8日
事業内容: レジャー、水産、業務用釣り糸の製造、加工、販売
産業資材用モノフィラメントの製造・加工・販売
各種釣具の仕入・販売
大気圧低温プラズマ技術の実験・開発・加工・装置販売
資本金 : 9,600万円
URL : コーポレートサイト https://sunline.co.jp/
プラスタス事業サイト https://plastas.sunline.co.jp/
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https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/83/22003.html